Ultrafit's e-Tips」というトレーニングアドバイスに関するサイトから記事を紹介します。代表のJoe Frielはトライアスロンと自転車のコーチとして定評があり、著書にThe Triathletes Training BibleThe Cyclists Training Bible などがあります。  

5月号からは読者からの質問にJoe Frielが答えるQ&Aから二つ紹介します。このサイトの読者層の一端が窺われます。URLはhttp://www.ultrafit.com. ですので関心のある方はご覧下さい。

                           (訳責 小樽OTTRA 青木良英) 

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しばしば体調をくずすのですが… ジョー・フリエル

Frequently sick          by Joe Friel

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(質問)

私はもうすぐ30歳になる女性です。大学で陸上の七種競技をしたあと、ここ4年ほどは趣味でトライアスロンを楽しんでいます。

去年の12月に大学院も修了したので、今年は初めから真剣にトレーニングに取り組んでいます。
マイク・ピグの「パソコン・コーチ」というトレーニングプログラムソフトと心拍計を買い、ショートディスタンスのトレーニングプログラムに従って練習しています。

しかし競技生活も長く自分の体も良く知っているつもりなんですが2,3ヶ月の一回は風邪を引いてしまい2,3日トレーニングが出来ないといった状態が続いています。

 

ある友人は私の住んでいる土地の気候に起因するアレルギー症状だといい、また別の友人は、私に夫がいて、週に50時間以上働き、おまけにトレーニングするから、ちょっとやりすぎなんじゃ無いかとも言います。

 

私はバランスよく栄養をとっていますし、定期的にビタミンを飲んでいます。また一日8時間は睡眠をとるようにしています。どうすればいいんでしょうか。 オクラホマ州タルサ市在住 K.L. 

(回答)

頻繁に風邪(上気道炎)を引くというのは多くのトライアスリートの悩みです。

 

そしてあなたも経験したようになかなかその原因は分からないものです。

私はアメリカでも有数のプロトライアスリートのコーチをしていますが、

彼もしばしば風邪でトレーニングできないことがあります。

 

1999年のシーズンは彼は風邪のためレースシーズンを棒に振ってしまい、

アメリカのナショナルランキングが2位から7位に落ちてしまいました。

 

そこで彼のトレーニング量を30パーセント減らし、複数の医師の診断を仰ぎ、

アレルギー検査も受けました。

 

でも本当の原因は誰にも見つけられませんでした。

オリンピック出場選考会の2,3週間前だというのに、無酸素・乳酸レベルのトレーニングを殆ど止めて様子を見ました。彼はトレーニングのしすぎで頻繁に風邪を引くよりも、すこしトレーニングが足りないぐらいの方が調子が良いようでした。

この選手の場合のように、病気が頻発する原因を見つけるのは困難です。

そのためにいくつもの角度から調べる必要があります。医学(アレルギー症状も含む)、栄養学(カロリーや栄養素の不足、あるいは食物アレルギー)、心理学(ストレス)、トレーニング(トレーニング量と強度)などからの検討が必要です。

 

これらの複合したものが原因であることもあります。

いずれにしても、原因を見つける努力をつづけるべきです。運動のトレーニングにおいては一貫性が何よりも大事だからです。

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血中鉄分について   ジョー・フリエル

Iron Levels      by Joe Friel

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(質問)

 私の20歳になる娘はトライアスロンとマウンテンバイクの競技選手です。

昨シーズンの終わりになって、いくつかの問題が生じました。疲労感や筋肉の痙攣などです。

 

血液検査を受けさせたところ、ヘモグロビンが13、ヘマトクリット(赤血球容積率)が38でした。

これらはエリート選手としては低い値だと言われ、鉄のサプリメントを摂るよう指導されました。

 

かかりつけの医師の診断を受け、鉄のサプリメントを摂ってもう5ヶ月になります。

しかし毎月の血液検査の結果は依然として同じ値で改善されません。

 

これらの検査数値は娘の年齢、そして性別で普通の値なのでしょうか。

私の家族は乳製品も食べる菜食主義者ですが、息子はセミプロのマウンテンバイクの選手でヘクトクリット値は46です。二人の内科医に診せたのですがいずれも正常値で心配することはないと言われました。なにかご助言いただけないでしょうか。  ハワイ州 カイルアコナ S.O.

(回答)

 成人女性は成人男性よりヘモグロビン値が低いのが普通です。

お嬢さんのヘモグロビン、ヘマトクリットはいずれも正常範囲の中の低い位置にあります。

 

私は幾人もお嬢さんと同じくらいの値のエリート選手をコーチしましたが、

彼らは貧血の症状やレースでの不調はありませんでした。

 

しかし最近の二つの研究(Hinton,2000 とZhu,1997)は貧血症状を伴わない血中鉄分の

不足は有酸素運動への適応を妨げるとしています。

 

別の研究(Rowland,1988)では同じく貧血症状を伴わない血中鉄分の不足した選手で

フェリティン(脾臓・腸粘膜・肝臓中に存在する、鉄を含む複合蛋白質のひとつ)

の数値の低いものが、硫酸鉄を1ヶ月にわたり処方され運動持久力が改善したとしています。

 

20日間にわたる1000キロ走のランナーに関する研究(Seiler,1989)では

通常の西欧の食事を摂るものに比べて、乳製品や卵も食べる菜食主義者のばあい際だって

フェリティン値が低いことをが分かりました。

 

結論から言うと、ヘモグロビン、ヘマトクリットはそれだけでは貧血のよい指標にはならないと言うことです。貧血の診断をするためにはフェリティン値、percent saturation、そしてヘモグロビン値のテストが必要になります。

 

真性の鉄欠乏性貧血症は通常、フェリティン値が12以下で、percent saturationが16%以下、

そしてヘモグロビン値が13以下である場合に診断されます。

 

お嬢さんは典型的な貧血症ではないにしろ、鉄分の不足から来る不調も疑われます。鉄のサプリメントを摂るほかに、紅茶、コーヒー(カフェイン抜きのコーヒーも)、卵白、大豆製品、小麦のふすま、食物繊維の多い食べ物等は鉄分の摂取の妨げとなるので量を控えめにしたほうが良いでしょう。とは言うものの、これらの食べ物は菜食主義の方の食事に多く出るものですね。